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秋葉原17人殺傷 第9回(1)「警察官らに突き上げるように次々と“パンチ”」…目撃男性が証言(産経新聞)

 (10:00〜10:30)

 《東京・秋葉原の無差別殺傷事件で殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大(ともひろ)被告(27)の第9回公判が24日午前10時、東京地裁(村山浩昭裁判長)で始まった》

 《これまでの公判では、被害者6人、目撃者12人(遺族1人を含む)、捜査関係者2人の計20人が証言台に立ち、事件当時の惨状を詳細に語ってきた。今回は、加藤被告を取り押さえた警察官や、応援に駆けつけた別の警察官のほか、目撃者1人の計3人に対する証人尋問が行われる予定となっている》

 《前回公判では、加藤被告のトラックにはねられ、父親を失った長男が、被害者や遺族の供述調書の一部を弁護側が不同意にしたため、自身を含め多数の関係者が証人として出廷せざるを得なくなったことに言及。「不本意な形で出廷し、当日の忌まわしい記憶を呼び覚ましている」「裁判所に引きずり出したこと自体、傷口に塩を塗られているような感情だ」と弁護側の戦術を強く批判する場面もあった。今公判では、何が語られるのか》

 《法廷は、証人が別室で尋問に応じる「ビデオリンク方式」を行うため426号法廷が使われた第7回を除く、すべての公判で使われてきた東京地裁最大の104号法廷だ。これまではほぼ満席が続いてきた傍聴席だが、今回は雨のためか空席がちらほら見える》

 《傍聴人の入廷が終わり、午前9時59分、加藤被告が向かって左手の扉から法廷に姿を現した。いつものように黒のスーツに白いワイシャツ姿。やはりいつものように傍聴席に向かって一礼した後、向かって左手に位置する弁護人席の前の長いすに腰を下ろした》

 裁判長「それでは、開廷します」

 《午前10時、村山裁判長は、午前中に1人の証人尋問と証拠の取り調べ、午後にはそれに関連した証人尋問を行うと告げた》

 《村山裁判長の指示で、証人が右手の扉から入廷してきた。スーツ姿のビジネスマン風の40代くらいの男性だ。加藤被告は背中を丸めて視線を落としたまま。偽証しないという宣誓書を読み上げた後、男性検察官が尋問を始めた》

 検察官「あなたは平成20年6月8日、秋葉原で起きた事件の目撃者ですね」

 証人「間違いありません」

 《起訴状によると、加藤被告は平成20年6月8日、秋葉原の交差点にトラックで突っ込み、3人をはねて殺害。さらにダガーナイフで4人を刺殺したほか、10人にけがを負わせたなどとされている》

 検察官「どうして秋葉原にいたのですか」

 証人「仕事で近くで勤めていたからです」

 検察官「事故のあった外神田3丁目の交差点近くのビルで勤めているということですね」

 証人「間違いありません」

 検察官「秋葉原で何年仕事をされているのですか」

 証人「15、6年です」

 検察官「それでは秋葉原の地理はよく分かっていますね」

 証人「はい」

 検察官「あなたは当日、何か音や異変を感じたそうですが、どんなことが起きたのですか」

 証人「大きなドンという音がしたので、表に出ました」

 《ここで、検察官は事件現場の見取り図を大型スクリーンに映し出した》

 検察官「あなたは勤務先の建物の外に出た後、交差点を見たということですが、まず何を見たのですか」

 証人「交差点の中央のところで男の人が倒れていました」

 検察官「その位置を赤ペンでマルAと書いてください」

 《証人は小さな文字でマルAと書いた。さらに自分のいた位置をマル(ア)と書いた。検察官は、文字を見やすくするため、画面を拡大した》

 検察官「Aの男性はどんな様子でしたか」

 証人「頭を北側に向けて倒れていました」

 検察官「身動きや呼吸はしていましたか」

 証人「いっさい身動きはしていませんでした。呼吸は確認できませんでした」

 検察官「Aの男性を介抱していた人はいましたか」

 証人「はい。女性でした」

 検察官「女性はどんな服装でしたか」

 証人「黄土色のTシャツを着た女性でした」

 《その後、女性は見取り図にマルDと書かれた》

 検察官「交差点でほかに倒れていた人はいましたか」

 証人「年配の人が倒れているのを確認しました」

 《証人は検察官に促され、見取り図にマルBと書いた》

 検察官「男性ですか女性ですか」

 証人「男性です」

 検察官「身動きはしていましたか」

 証人「していませんでした」

 検察官「AとBを見て何が起きたと思いましたか」

 証人「交通事故が起きたと思いました」

 検察官「その後、現場の交差点で何が起きましたか」

 証人「右(東側)の方から男の人が走ってきました」

 《証人は見取り図にマル1と書いた。これが加藤被告だ》

 検察官「男の年齢や服装などについて覚えていることはありますか」

 証人「薄いベージュのスーツで年齢は25、6歳でした」

 検察官「若い男だったと」

 証人「はい」

 検察官「顔の特徴は?」

 証人「眼鏡をかけていました」

 検察官「A、Bの男性の方以外に印象的な方はいましたか」

 証人「警察官がいました」

 検察官「何をやっていましたか」

 証人「男性が倒れていたので、どういう様子か確認していたと思います」

 検察官「マル1の男はその後、どうしましたか」

 証人「走ってきて警察官の方に突き上げるようにパンチするように見えました」

 検察官「殴っているように見えたと?」

 証人「はい」

 検察官「警察官の体勢は?」

 証人「座っていて立とうとした中腰でした」

 検察官「男の動作をもう一度」

 証人「パンチを下から突き上げるように。こういう風に…」

 《証人は右手で実際に再現してみせた》

 検察官「あなたは今、右手でされたが、右手でいいのですか」

 証人「はい」

 検察官「ボクシングでいうボディー打ちみたいな感じですか」

 証人「はい」

 《証人は緊張しているのか、しきりにハンカチで額の汗をぬぐう。加藤被告は相変わらず表情を変えないが、右ほおをポリポリとかいた》

 検察官「その後、男はDの女性に近づいたということですか」

 証人「はい」

 検察官「Dの女性に何をしましたか」

 証人「先ほどの警察官と同じようにパンチを突き上げるようなことをしました」

 検察官「同じ右手ですか」

 証人「はい」

 検察官「女性はその後どうなりましたか」

 証人「両手でおなかをおさえてひざまずくように倒れました」

 検察官「警察官はどうなりましたか」

 証人「同じく右手を腰に当てて倒れました」

 《証人は、その後、男がさらに交差点内で、別の男性に同じようにパンチを突き上げ、両膝から倒れた状況を証言した》

 検察官「交差点にいた人の動きはどうでしたか」

 証人「声までは覚えていませんが、一斉に逃げまどうのを確認しました」

 《その後、証人は加藤被告とみられる男を追いかける途中で、男が右手に黒いものを持っているものを確認したという。次に男が目撃したのは、男と警察官が対峙(たいじ)した場面だった》

 =(2)へ続く

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 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、検察審査会から「起訴相当」と議決された小沢氏側が、週明けの17日にも3回目となる任意の事情聴取を受ける方向で東京地検特捜部と調整していることが14日、関係者の話で分かった。小沢氏と起訴された衆院議員の石川知裕被告(36)ら元秘書3人の共謀が成立すると判断した議決を受け、再聴取では共謀の確認が最大の焦点となる。再聴取を前に、議決内容を改めて検証してみた。

 ■供述

 検審が審査した小沢氏の容疑内容は、(1)元会計責任者の大久保隆規被告(48)、石川被告と共謀し、陸山会が平成16年10月に約3億4千万円で東京都世田谷区の土地を購入したのに、同年分の政治資金収支報告書に記載しなかった(2)大久保被告、池田光智被告(32)と共謀し、土地代金などを支出として17年分の収支報告書に虚偽記載した−の2点。

 検審が、小沢氏と3人の共謀を認定できる「直接証拠」として挙げたのが、石川、池田両被告の供述だ。議決によれば、2人は収支報告書を提出する前に「小沢氏に報告、相談した」(石川被告)、「小沢氏に説明、了承を得た」(池田被告)と供述した。

 議決では2人の供述を短く触れただけだったが、関係者によると、石川被告は土地代金の原資となった4億円を記載しないことや、土地の登記を翌17年にずらすことを小沢氏に相談し、了承を得た−とも供述したという。

 捜査でもこの供述が最も重視された。だが、小沢氏の指示など積極的関与を示す供述は得られず、特捜部は「共犯として有罪を得るだけの証拠は認められない」と小沢氏を嫌疑不十分で不起訴処分とした。

 元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は「一般市民の感覚では、共謀が成立すると考えたのは十分に理解できる」と前置きした上で、こう指摘する。

 「たとえ翌年度に土地登記をずらすことを了承したとしても、検察は虚偽記載自体について、より密接な相談や承認がないと難しいと考えたのではないか」

 ■判例

 「共謀に関する諸判例に照らしても、絶大な指揮命令権限を有する小沢氏の地位と元秘書らの立場や状況証拠を総合考慮すれば、共謀共同正犯が成立するとの認定が可能である」

 検審が議決でこう指摘したように、小沢氏の共犯が成立すると判断した根拠の一つに、共謀に関する過去の最高裁判例がある。

 関係者によると、検審では、暴力団組長が拳銃を持たなくても、銃刀法違反(共同所持)罪の共謀共同正犯に問われた判例が参考にされたという。

 最高裁第1小法廷は15年5月、ボディーガードの組員に拳銃を持たせたとして銃刀法違反罪に問われた暴力団組長の上告を棄却、実刑判決が確定した。暴力団組長が組員らに拳銃携帯を具体的に指示した事実はなかったが、組長が指揮命令権を持つ地位にあったことなどから、「被告が拳銃を持つよう直接指示しなくても、組員が自発的に警護のため所持することを容認していた」と認定した。

 若狭氏は「暴力団の場合は組員が命をかけてまで親分を守るという相当のつながりがあるが、政治家と秘書の場合はそこまで強いといえるのか」と疑問を呈する。しかし、ある法曹関係者は「同様の裁判例は企業犯罪などでもたくさんある。政治家だけが特別なのか。検審はそれを問いたいのだろう」と語った。

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